3年生で勝つなら。クイックで2年生を抑え、4年生に対策する

3年生のクイック戦法。2年生を抑え、4年生に対策する流れを表した画像

3年生が冬全のクイックで、移動量、体力配分、縦の動作、緩急を設計する方法。

3年生には、クイックで勝負の形を作る余地がある

3年生でカップルが安定し、冬全で優勝を狙うなら、ワルツ以外にも勝負の形を作れる可能性があります。その中でも、僕はクイックを一つの有力な選択肢として考えます。

理由は、3年生が2年生の運動量と勢いに対抗しながら、4年生が積み重ねてきた基礎や経験にも対策しやすいからです。

ただ走ればいい、という意味ではありません。2年生には移動量とスピードで負けない。4年生には、それだけでは埋もれるので、縦の動作、緩急、見せ場の位置で差を作る。相手の学年によって、同じルーティンの中でも見せる要素を変えます。

クイックでフロアを大きく移動し、スピードを見せるカップルを表した本文用画像
クイックは、まずフロアを使って存在感を作る。

相手を学年で決めつけず、評価される要素を分けて考える

2年生は、負けても次があるという気持ちから、思い切ったパフォーマンスが出ることがあります。4年生は最後の試合というプレッシャーがあり、無難に踊ろうとして、動きが小さくなることもある。

だからといって、「2年生は勢いだけ」「4年生は基礎だけ」と決めつけてはいけません。実際の映像を見て、誰がどの方向へ移動しているのか、どこで止まり、どこで加速しているのかを確認します。

自分たちの課題も同じです。シャドーで足型を覚えるだけでなく、カップルで踊ったときに、移動量が落ちていないか、女性の運動量を男性が受け止められているか、後半に表情と姿勢が崩れていないかを映像で見ます。

ルーティンは「動く区間」と「整える区間」を設計する

僕が考える一例は、次のような流れです。

ナチュラルターン、ランニングスピンターン、ルンバクロス、ピボット、ティプシーシャッセ、ピボット、オーバーターン、ターニングロック。そこからランを2回、ハーフシャッセを3回ほど続けて中央へ入る。次の短辺では、アウトサイドチェンジなどでゆっくり準備し、次の長辺をバックシャッセ、ジグザグ、オーバースウェイ、テレマーク2回のような、縦の動作が見えやすい区間につなげる。

これは完成ルーティンの処方箋ではありません。移動量とスピードを出す区間、縦の動作で視線を引く区間、体力を回復しながら次の長辺を準備する区間を、一つの設計例として示しています。

ルーティンを区間で分ける

  • 動く区間:長辺を使い、移動量とスピードを出す
  • 見せる区間:オーバースウェイやテレマークなど、縦の変化を見せる
  • 整える区間:短辺で呼吸と姿勢を戻し、次の長辺を準備する
  • 検証する区間:撮影して、実際に移動できた距離と滞在時間を確認する

長辺と短辺をすべて同じ強度で踊り続けると、後半にバテます。長辺で動いた後の短辺に、整える動作を置く。次にまた動ける状態を作る。この体力配分まで含めて、ルーティンです。

クイックの速い区間と呼吸を整える区間を設計する様子を表した本文用画像
速い区間と整える区間を分けて、最後まで踊れる形にする。

条件で答えが変わるところ

クイックを選べば必ず勝てるわけではありません。フロアの広さ、相手の移動、カップルの体力、当日の音楽で、動く区間と整える区間の配分は変わります。最後は同じ条件で撮影し、再現できた設計だけを残します。

2年生を抑える運動量と、4年生に埋もれない見せ場を両立する

3年生のクイック戦法をまとめると、前半から移動量とスピードで存在感を出し、途中で体力を整え、長辺の縦の動作と緩急で差別化することです。

練習の順番:シャドー → カップル練習 → フロア全体 → 撮影 → 振り返り → 修正 → 再撮影

この方法なら必ず勝てる、とは言いません。けれど、足型を闇雲に増やすより、「誰に、どの要素で、どこで差を伝えるか」が明確になります。3年生で勝つなら、2年生には運動量、4年生には対策と見せ場。その二つを、最後まで再現できる形にすることです。

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【連載04】4年生が負ける理由と当日の対策 →

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